漫才『油汚れ』

油汚れ
うぇーん!兄ちゃーん!フライパンの油汚れがどうしても取れないよぉ!
どうしたペンタ、そんなに泣いて。フライパンが手強いのか?
そうなの!こすってもこすっても、ヌルヌルが襲ってくるんだ!ぼく負けそう!
大げさだなあ。油汚れは手強いけど、ちゃんと落とし方があるんだよ。
えっ!本当!?どんな秘密兵器を使うの?レーザービームとか!?
レーザーは使わないよ。油汚れは酸性の汚れだから、アルカリ性のものを使うといいんだ。
アルカリ星人!?宇宙から助けに来てくれるの!?やったー!
星人じゃなくて、性質の話だよ!例えば、重曹とかセスキ炭酸ソーダとか。
じゅうそう?お菓子に入れるあの白い粉?あれでヌルヌルをやっつけるの?
そうだよ。少しお湯に溶かして、それで洗うと汚れが落ちやすくなるんだ。
お湯か!じゃあ、フライパンに熱々のお風呂を用意してあげなきゃ!
熱々すぎると危ないよ!火傷しないくらいの温かいお湯で十分だから。
そっか。じゃあ、シャンプーとリンスもしてあげたほうがいいかな?
いらないよ!重曹だけでいいんだってば。
わかった!重曹と、あとアヒルのおもちゃも浮かべてあげよう!
おもちゃは関係ないだろ!フライパンが喜ぶかもしれないけどさ!
えっ!兄ちゃんもそう思う!?やっぱりアヒルさん必要だよね!
いや、そういう意味じゃなくて!遊び道具はいらないってこと!
よーし!じゃあ、ぼくが歌も歌ってあげる!フライパン、元気出せーって!
歌わなくていいから!早くその油汚れを落としてあげなさい!