漫才『飛び出す絵本』

飛び出す絵本
ペンタ、今日は飛び出す絵本について話そうか!あれって面白いよな!
うん!知ってる!ぼくが本を開いたら、ぼくがビューンって飛び出すんでしょ!
いや、ペンタが飛び出すんじゃなくて、絵が飛び出すんだよ。落ち着いて。
えーそうなの?じゃあ、本からタコさんウインナーとか飛び出してこないの?
なんでタコさんウインナーなんだよ!食べ物じゃなくて、絵が立体的に見えるんだ。
絵が!?どうやって?中にちっちゃいおじさんが隠れてて、よいしょって持ち上げてるの?
ちっちゃいおじさん説はやめなさい。紙の切り込みとか折り方で立体的に見せてるんだよ。
ポップアップって技術なんだ。18世紀くらいからあるらしいぞ。意外と歴史があるんだ。
えっ!そんな昔からあるの!?じゃあ昔の人は恐竜が飛び出す絵本とか見てたの!?
恐竜がいた時代とは違うけどね。昔は風景とかお城が多かったみたいだよ。
へぇー!すごい!紙だけであんなに動くなんて!考えた人、天才だ!かっこいい!
うわーん!なんか感動しちゃった!紙なのに!紙なのに頑張って飛び出して!えーん!
え!?なんで泣いてるんだよペンタ!感動するのはわかるけど、そこで泣く!?
だって、紙が一生懸命立ち上がってる姿を想像したら、涙が止まらなくて!うっうっ!
紙の気持ちになって泣くの!?感受性豊かすぎるだろ!ティッシュいるか?
この前読んだ恐竜の絵本!ガオーって!あれも紙が頑張ってたんだね!えーん!健気!
まあ、そうだけどさ。製本技術のすごさに感動してくれよ。泣くほどかなあ。
兄ちゃん、今度一緒に作ろうよ!ぼく、飛び出すタコさんウインナー作る!元気でた!
だからなんでタコさんウインナーなんだって。もっとこう、動物とかさ、色々あるだろ。
まあ、泣き止んだならいいけど。まずは普通の折り紙から練習しような、ペンタ。