漫才『ざぶとん』

ざぶとん
兄ちゃん!このフカフカのやつ、名前なんだっけ?ぼく、これ大好き!
これかい?これは「ざぶとん」だよ。ペンタも好きか。座ると気持ちいいもんな。
うん!ふわふわで雲みたい!これで空も飛べるかな?えいっ!…飛ばないや。
飛ぶわけないだろ!それは座るためのものだって。危ないから変なことしないの。
座るだけ?もったいないなあ。枕にしたり、盾にしたり、色々使えるのに!
まあ、クッションみたいに使うことはあるけど、盾って…。何と戦うつもりなんだ?
えっ!?兄ちゃん知らないの?夜中に押し入れで動き出す、伝説の「ざぶとんおばけ」とだよ!
そんなのいるわけないだろ。ペンタ、想像力が豊かだなあ。
じゃあさ、ざぶとんって、なんで「枚」って数えるの?「個」じゃないんだ?
お、いい質問だね。平たくて薄いものだから「枚」って数えるんだ。お皿とか紙とかと同じだよ。
へぇー!じゃあ、おせんべいも「枚」で数えるのと同じ仲間なんだね!ざぶとんはお菓子だったのか!
食べられないから!仲間だけど、お菓子じゃないよ。
そっかあ…。でも、このざぶとん、ちょっとぺちゃんこで元気ないみたい。かわいそうだなあ。
大丈夫だよ。天気のいい日に干してあげれば、またお日様の力でふっくら元気になるさ。
ほんと!?じゃあ、明日一緒にお日様にお願いしようね!ざぶとん元気になーれって!
そうだな。でも、お願いする前に、まずはお行儀よく座るところから始めような、ペンタ。