漫才『口噛みの酒』

口噛みの酒
ねぇ兄ちゃん!ぼく、新しいお酒を造りたいんだ!
お酒?ペンタ、まだ子供だろ。
うん!口噛みの酒だよ!米を噛んで吐き出すんだ!
ああ、口噛みの酒か。それは昔、米のでんぷんを唾液のアミラーゼで糖に変えたんだ。
じゃあ、ぼくが噛んだご飯をお兄ちゃんが飲むの?
いや、違う!そうじゃないだろ!それが発酵してアルコールになるんだよ!
えー、ぼくの唾液でアルコールになるなんて、すごいね!
ペンタ、酵母が重要なんだよ!酵母が糖をアルコールに変えるんだ!
じゃあ、ぼくの口は、ただご飯をくちゃくちゃするだけ…?
いや、最初の糖化は大事だよ。でも現代では麹菌を使うんだ。
じゃあ、今度お兄ちゃんも手伝ってね!噛むの!
ペンタ、それはやめておけ。市販の美味しいお酒にしようね。